2023年4月9日日曜日

講談社の時代

 似て非なる紙メディア。

多分ですが、宮中席次はこの順番ではなかろうか?



あの築地にある「反」日新聞社は、新聞だけでなく、書籍も雑誌も刊行していますが、大方の目線は新聞社です。天邪鬼は不動産屋にみえますがね(^^)

元来この三つは流通システムも別にしていたらしいが、かの講談社の初代社主の英断というか蛮勇で、雑誌と書籍の流通はクロスオーバーするようになった。


たまたま見かけたもので斜め読みをした。

あんまり興味を持たない雑誌の版元。とてもじゃないが「書肆」とは言えない。

岩波、筑摩、みすずなんかはアカデミアの芳香ムンムンとしますが、講談社は雑誌社です。

別に馬鹿にはしていません(ときっぱり)。

巨人の星とあしたのジョーを同時に毎週堪能させて頂きましたし、学術文庫(岩波コンプレックス満載だなあ)のおかげで「茂吉秀歌全五文冊」を廉価に買えました(編者は塚本邦雄氏ですが、彼の単行本は異様に高いのよ)


お高くとまった書籍屋さんは、、、どこも火車だろうなあ。筑摩は早々に破綻しました。中央公論は読売新聞の支配下。岩波も銀行管理とウワサされます。

新潮社も苦しいらしい。そもそもが、一兆数千億のマーケットに三千社がひしめく世界だが、独立系中小規模の数の多さが書肆文化を支えているし、委託販売と再販価格が武器。流通さえなんとかなれば、小粒ながらキラリとひかる書籍がもっと陽の目をみるんだが



新聞の明日はどう観ても暗いし、デジタル転換なんてあの強固な販売システムの後始末を考えると、、血の雨覚悟。そんな勇気をサラリーマン社長に求めるのは無理というもの。

それに、軽減税率適用の要件には「定期購読」がありますから、、、、

かかるが故に、、、、デジタルコミックの全盛となるという文脈。マルドメ産業ながらデジタルをすすめれば海外展開もやり易くなる。



さて講談社のこと。

栄枯盛衰は世の習いだが、戦前からの盛名を未だに汚さないのは講談社くらい。

改造社や博文館は今や影も形もないに等しい。

今の版元四強は、講談社、集英社、KADOKAWA、小学館、、、、要するに肩の凝る本なんかは商売にはならないのよ。


講談社は野田清治が創業し、家業としていまや七代目社長。鷹がトンビを産まなかったのは慶賀の至り。

この評伝とも史録とも言い難い大部な単行本ですが、実に面白い。社史編纂元資料の中から公表社史から割愛された部分にフォーカスをあてる。


まったく知らなかったが、講談社は一時期報知新聞社を傘下に収めていた。明治から大正期には東京一の新聞社だったが、、、最後は身売り(講談社もさじを投げ、最後は読売新聞の軒先を借りてます)

創業者が新聞にまで手を出した理由は良くはわからないが、どうも宮中席次からくるコンプレックスのようです。当時の新聞の影響力はたいしたものだったと思うが、今や、、、って気がします。社主、主筆どちらでもいいのですが、紙面の出来栄えで評価されたのは昔の話で、今時は政治との距離感。



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