ニュージャーナリズムの旗手と言われたハルバースタムの著作をあれこれ拾い読み。
ニュージャーナリズムって明確な定義が難しいが、一般にいう「客観報道」とは一線を画し、取材対象にのめり込むようなスタイルでシロクロハッキリと記述するスタイルらしい。
彼はベトナム戦争報道で名を上げ、、、ホワイトハウスのNGリストナンバー1の「栄誉」に輝き、その結実がかの歴史的名著である「ベスト&ブライテスト」となった。
しかし、彼の興味は多岐に及び、ビジネスからスポーツまで。
ビジネスならば、まず指折れば、、、「覇者の驕り」
日米自動車産業の栄枯盛衰を、主にフォードと日産にフォーカスする。
上梓されたのは、80年代半ばだが、オリジナルタイトルは、会計用語で決算とか計算を意味する。
どんな業種でも、管理・財務部門と現業(製造あるいは営業)の葛藤や衝突はつきもの。どっちがリードする方が良いとか悪いとかは一概に言えない。
しかし、著者の視座はどちらかというと現場に優しい。
邦題は一見良さげだが、アタシの語彙センスからすればあまり感心しない。「覇者は驕る」の方が適語だ。
有り体に言えば、稲穂のように実るほどに頭をさげるなんてまずありはしないのよ。
その辺りは中華四千年の治世の要諦にあれこれと、、、
呉越の争いに最終的に勝利したのは越王勾踐。賢臣范蠡の勲功たるや卓絶としか言いようがない。しかし范蠡は直ちに骨を乞う(辞職)
嘯くに、、、辛苦は共に出来ても歓楽は.....
時巡り漢帝国を劉邦が樹立。その三傑である功臣たちの戦後は我が身の振り方に腐心すること。
参謀総長たる張良は仙人まがいだからさっさと深山幽谷に隠棲。
CLOであった蕭何(功績断トツ)は劉邦の子供を養子を迎え家督相続、実子は食うに困らない程度に財産を分与し、血族の存続だけは堅持(同じ事を若い頃の秀吉もやってますなあ)
現場第一線最高指揮官であった韓信だけは何もせず日々のほほん、、、
みかねた友人の忠告に、、、
狡兎死して走狗烹られ、高鳥尽きて良弓蔵る
もうあんたの役目は終わった。先の二人の所作を参考にせなあかんやろ。でないと早晩謀反の疑いをかけられ、、、
そんな古代の故事を披瀝せずとも、日露戦争後の連合艦隊解散の辞の結語
つまり、何千年経っても、ヒトザルは歴史はおろか経験にすら学ばないってこと(^^)
Win and tighten your helmet!
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