和歌や俳句の世界では「卯の花腐し」の七音で使われます。
単に「花腐し」の用例は、、、、
俳句では夏の季語
初夏の白い卯の花を腐りしおらす梅雨に先立つ長雨のことだそうです。
いわゆる、、、はしり梅雨との解説もありますが、五月雨がその後に続くとも(ネット解説だけだとようわからん)
ともあれ、万葉集に始まる由緒ある歌語なんだが、昨今は絶滅危惧種。
俳句はともかく、短歌の世界はついど見かけない。
王朝歌論書には
この万葉集の和歌が最古の用例だとかの記述があるとあるらしいが、素直に詠めば雨の風景でもない。昔の恋人の寓居は朽ち果てたなあ、、、なる感傷を「腐しと荒れ」で表現しているだけだ。
原作は赤門の先生の筆になる芥川賞作品らしいから、、、当然読んでませんが、だからこんな難解歌語を探し出してきたんだと得心。
監督はピンク映画へのオマージュという超意訳をやったと言われても原作知らないからよく分からないが、その世界の映画人からキャリアを形成してきたので、それは納得。
ものがたりは、リンク映像をみてください。
観てもよくわからないが、脚本の冴えと映画の台詞愛が満載。
映画が撮れない綾野剛がアパートに居座る脚本家崩れの柄本佑を追い出そうとするのだが、変にウマがあい、、、卯の花腐しの中で昔の恋人との交情を語り合う。
別に「オンナは中流に限る」なんてオチではないが、この二人をヒカルくんと頭中将だとすれば、おんなはあの「夕顔」だった。
原作同様に、この夕顔ははやくに死にました。
合掌....
どうでもいいシーンだと思うのだが、柄本が書いた脚本に綾野が筆を入れる。
オンナとオトコの諍い。
思わず、オトコが手をあげそうな局面、、、、
顔、ぶたないで 私 女優なんだから
夏樹静子の「Wの悲劇」を映画化した際、この監督が脚本を今回同様に超意訳していますが、コレが原作よりも素晴らしい。
主演の薬師寺ひろ子の台詞です。
わかる人だけがわかるが、わかる人は数少ないと思うオチでした(^^)
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