2015年8月19日水曜日

西洋と東洋の狭間で




ロシア文芸の濃密さの映像化はベルイマンにしくものはないが、カッパドキアを舞台にすれば、スラブとラテン・アングロとイスラムのごった煮が出来上がる。ごった煮とは、品性がないが、ここでは、ヒトザルに普遍的共通的という意味で使っている。
カンヌのパルムドール受賞作品らしいが、カンヌ映画祭でもないとこのような作品は、
作品賞はとれない。
アート系シアターは、最終日ということで満員御礼。
しかし、三時間を超える濃厚な長尺がもたらすものは
彼方此方からのいびきの声々(笑)
確かに長い。詰め込むものが多すぎるのだ。しかし、多くの素材を消化し尽くすには、3時間強でもなお足りない。

元インテリ舞台人は、故郷で金満家としてホテル経営を始め、様々な事業を行いながら、悠々自適の日々。
若くて美しい妻との間は、どうしようもない溝。
離婚して転がり込んできた妹は、毎晩愚にもつかない議論を吹っかける。
家賃が払えなくなった無職の男とその子供と男の弟との葛藤。
近隣の農民だろうか・・・部分的に爆睡で覚えていないが、飲めない酒の上でのやりとり・・・・

爾後買い求めたパンフレットによれば、チェーホフの作品をモチーフとするとの解説がある。
ドフトエフスキーの白痴やカラマーゾフのエピソードも使われている。
映画とは第八芸術って、ある種の差別言辞・・・っていわれるが、言い換えれば、七番目までの芸術形式の集大成である。
ぞんじあげないトルコ人の方であったが、がこの作品の監督さんは、その資質がある。
使われる音楽もシューベルトのピアノソナタ20番。
主人公が演劇人だったので、シェイクスピアやカミュもでてきます。

プロ映画鑑賞家として、製作陣がその才能能力に関わらず、精魂込めた作品を馬鹿にすることは厳に謹んでいますが、まあ・・・酷い作品がってありますなあ(笑)
邦画で言えば・・・まあ武士の情けだやめておこう。

今やシニア料金で映画が観れる世代なのです。


3時間16分は、ちょうお安かった!。

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