2018年12月7日金曜日
視覚障礙(2)
手を替え品を替え、アレヤコレヤと.........元素材がマグニフィセントなればこそ(笑)
となれば、平家の武士、悪七兵衛景清に如くはない。
実在の人物です。伊勢平氏の系統だとされます。
源平合戦の頃に活躍しました。
何と言っても「悪」の異名。武家にとっては最高クラスの褒め言葉。
しかし、平家本流のご一統さまでもなく、譜代の中堅どころ。
勇猛果敢なエピソードと言っても、屋島の合戦の錣引き位・・・あとは後日談の多様性がレジェンド。
かれの活躍は
能
人形浄瑠璃
歌舞伎
と綺羅星のごとく!実に凄いことなのです。
ところが、エピソードがなんとも多様で・・・・・
平家滅亡の怨みはらさでおくものかって事で源氏の氏の長者である頼朝暗殺を企てるのが・・・
大仏供養(能)
出世景清(浄瑠璃)
歌舞伎十八番ともなれば、捕縛された景清に財宝のありかを白状させようとするが、
その陰険な手口に激怒し、牢破りって
荒唐無稽なお話・・・で話にならん(苦笑)
まあ、荒事と言われる市川家の家の芸ですので、それがウリ。
いまひとつが、難曲の誉れも高い能の景清。
戦い敗れ、盲目剝落の身となり、日向の国で乞食同然に暮らす景清の元に遥々と一人娘が訪ねてくる。
なんだかんだのあと、再会を果たした二人。
父は、屋島での奮闘の様を娘に語り、今生の別れ・・・・泣けますねえ。
景清ものでは、これがダントツに一番の出来です。
ところで、浅学非才とは悲しいもの。
落語にも景清なる演目があるとは知らなかった
哀しくも美しい上方人情ものの名作だと言われていますが、知らないには理由がある。
上演の機会が皆無に近く・・・斯様な名作なので、演者が自分の技量に二の足を踏むならまだしも
メクラなるモチーフに臆病になるらしい。
噺家が差別意識で演じるわけでもなく、
観客がメクラを馬鹿にする様に溜飲を下げるってあり得ないことなんですが、
一体何に怯えているのか。
日本の古典文化は、偏狭なジンケンヤと臆病なディレクターによって早晩滅びるのですよ。
違いますねえ。
かような愚行にオブジェクション!と言わないサイレントマジョリティが倭国の文化を滅ぼす。
幸いなことに、youtubeに米朝師匠の演題がありました。
鑑賞するなら今のうち。
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