2021年3月19日金曜日

同性婚違憲判決

 



不思議な風景だなあ

毎度の「不当判決」とは言わないんだ

判決要旨全文を斜め読みしました。

主文では「全ての請求は棄却」ですから、原告の敗訴が普通の判断です。


原告の請求がなにかと言えば(訴状が確認できないので要旨からの類推)

まず槍玉にあがっているのが、同性婚規定のない民法と戸籍法

判決要旨ではこれらの規定は憲法の24条、13条に違反しないとされました。

至極当然の判断であり、かのLegal Originalism 理論を持ち出すまでもない。

同性婚の浸透は憲法制定時の想定外の事であり当時は同性愛は犯罪か病気だとみなされていた。現下の状況をもってこれを違憲というならば、解釈改憲はいくらでも出来るということになり、真っ当な法律家は歯牙にもかけない。


しかし、憲法14条には違反する。

異性婚と同性婚での差別的な取り扱いが許容範囲をこえており、これは立法府の裁量権の範囲の逸脱に他ならない(が、国家賠償にまでは至らない)とされました。

この辺りは裁判官の自由心証ですから、確かに差別的な取り扱いは存在しますが、法律の建付を変えるほどの事態かどうかの判断は様々。

確かなことは選択的夫婦別姓の議論すらできない選良のココロには響かないと言うこと。




感情を昂らせて、涙声で武部知子裁判長は要旨の朗読をしたようですが、どうも賛否があるようです。

アタシは、裁判官だってヒトザルの血が流れている訳ですし、涙を流して論告求刑した検事さまもおられますから悪いとは思いませんがね



想像するに現行法制の不備を痛感するが故に、行政の裁量権逸脱という虚しい違憲論を展開したが、はっきり言うと迫力も実効性もない。しかし正面から違憲論を主張したいが、それは法律家の論理と自負に反する...

せめては「法の下の平等原則」に違背する差別くらいは指弾しないと....

とかなんとか内心の葛藤が涙声になったのでしょう。


毎度ながら、メディアのキャプションは誤解だらけだと思います。

司法記者ってそんじょそこらのリーガルよりも司法実務に詳しいはずなのに、、


同性婚が違憲と判断されたのでなく、異性婚と同等の法律的な取り扱いをされない事、それを放置する行政府の怠慢が違憲とされただけです。



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