60年代の始め...なんて昭和のオジサンの世界ですが、高田渡氏の手になるフォークソング
歌詞の一部ですが....
さまざまな異説風聞がありますが、当時の国軍幹部は狂喜乱舞し隊員勧誘の道具に使い一定の効果があったとも、軍を揶揄誹謗するものとして放禁になったとも、左翼(あるいは右翼かな?)のテロ予告があり、封印したとも....
興味の向きはYouTubeにあるはずですから、、、
素直に唄えば辛辣な反体制歌謡であり、二条河原落首やら狂歌、音二郎の自由民権ソングに至る「広義な文芸での反乱」の系譜に位置付けられます。
露骨に反戦平和とやらを咆哮するのは日共系うたごえ運動ソングと同じで芸が無い。
なんちゃって「反語的あてこすり」が一番です。
しかしながら、昨今はこれだけ表現と発表の自由が謳歌できるにも関わらず、これは!ってものが何も無い......あまりに自由すぎると逆にやってもスリルがないのかもしれませんし、文藝自体の衰微のあらわれかも
軍歌あるいは戦時歌謡の正確な定義は知らないが、好戦的内容で戦意高揚を目的とします。
多くは、単純なメロディライン、軽快なリズム、適度な音域、古来からの定型の七音または五音の歌詞
はやい話がオンチでも歌えるのが取り柄。
がしかし....結構裏に厭戦・反戦気分を隠し持つ傑作が有るのです。
雪の進軍
日清戦争の頃に軍楽隊員により作られた古典的な軍歌の傑作。
七音のリズミカルな繰返しの定型様式ながら、いち早く言文一致体のスタイルが斬新です。
しかし、当時の戦争では戦闘で死亡するよりも、栄養失調や飢餓、病気での損耗の方が遥かに激しかったと言われ、脆弱な兵站体制が垣間見えます。
その辺りをそれとなく、、あるいは露骨に歌い上げています。
馬は斃れる捨てては....断定は出来ませんが、装備なんかを輸送するお馬さんが斃れると大変!なんせヒトザルよりも馬が大事なのが軍隊。
頼みすくなや煙草が二本....ロクに配給もなかったみたいですなあ
焼かぬ干物に半煮え飯....こんなもの食ってマトモに戦えるはずがないし、勝てもしない。後年米軍の携行ランチセットを食べた兵士は嘆息したという
露営の夢を月は冷たく....要するにテントのない野宿だということ
どうせ生きては還らぬつもり.....太平洋戦争の頃にはこの曲は当局から目の敵にされ最後のフレーズは改竄されています。オリジナルは「どうせ生きては返さぬつもり」だったはずです。
公文書に限らず、都合の悪い部分はこっそりあるいは露骨に「書き直す」は昔からの悪習慣なんです。
なんといっても、硫黄島の栗林中将の辞世の句
国の為 重き努を 果し得で 矢弾尽き果て 散るぞ悲しき
最後の「悲しき」を「口惜し」と書き換えて大本営は公表しています。
軍歌のフレーズならまだしも...死者への冒瀆以外の何物でもない。
0 件のコメント:
コメントを投稿