歌舞伎の外題にはいくつもの仕掛け(縁語掛詞故事成句等)の集まりであり、その読み解きは素養教養(はやい話が役にも立たない雑学)の腕の見せどころ(^^)
主役の猿源氏は京の鰯の行商人
「伊勢の国に阿漕ヶ浦の猿源氏が鰯かうえい...」と美声を張り上げ商いに精を出すが、ある日遊女を垣間見、恋に落ちる。
この遊女は元はさる大名の姫君。
かつて猿源氏の美声に心奪われたが、人買いに拐かされて今は遊女の身。
さて二人の恋の行方は...と言う三島由紀夫の戯作物
三島の才能は小説よりも戯曲にある...とキッパリ!
華麗なる台詞回しは彼の独壇場
確証に乏しい逸話だが、三島由紀夫は某女(後年名の通った作家になった)の卒論の代筆をしたらしい。
某女曰く、、あまりに目眩く表現なんだから、わざと下手に書き直し...こんな苦労するくらいなら自分で書くんだった
古歌として有名な
伊勢の海阿漕が浦に引く網も 度重なれば顕はれにけり
を下敷きに、
日のもとにはやらせたまふ石清水(イワシみず)まいらぬものはあらじとぞ思ふ
という和泉式部(一般にはレディムラサキだと言われています)の当意即妙の和歌も散りばめた....
才気溢れる楽しい物語です。
勘三郎と玉三郎のコンビで、無論主役は勘三郎。
しかし...身長差が10センチ
女形としてはガタイが大き過ぎるので、若い頃は身をかがめるように演じていたそうですが、もはや押しも押されもせぬ大役者!
玉三郎の方が年上だし、勘三郎を見下ろす様に演じますから、この舞台ではどっちが主役か判らない(^^)
世が世ならば身分違いの禁断の恋ですからねえ
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