2021年6月14日月曜日

帳簿は世界史をつくる

 



見たくない真実を知る事が好きなヒトザルはいない...とは言わないが、優れて限定的。
数字と文書は嘘をつかないはずだが、健全な倫理観や文化の枠組が疲弊すれば、虚偽と粉飾がまかり通る。
国家の興亡は適切且つ正確な...なんて大上段に構え
姦しい統計不正や公文書「書換」に怒りの鉄槌なんて気はない。


今回は、ちょっと楽しい歴史ネタ
三、四年前、リアル書店の平置きを眺めながら
文庫になったら買おう!
待ちきれないなら図書館で....




公立図書館には本当に読みたい本は閲覧出来ない
或いは出来にくく出来ている。
やっと文庫版が刊行されたのはしばらく前。

歴史上有名な経済学者が会計の重要性を
異口同音に力説しても、馬耳念仏なアタシ。
が、ファウストに「人類史上最大の発見の一つ」なんて字句を見つければ居ずまいを正す。

著者のように国の浮沈は会計責任に依存する...
とまで言い切る知的自信はない。
少なくもクラシックローマ衰退の諸説には聞いた事がない。
しかし、会計官なる若者の登竜門みたいな職種がありましたから、若いうちに経理や兵站で鍛える事の重要性は理解していたようです。
残念ながら、ゼロの未発見とローマ数字では近代的な会計管理は不可能。

複式簿記の発祥は、14世紀のイタリアらしいから、
ローマ衰亡論に関連付けてはならない。
しかし、近代日本の発展の基層には、江戸時代からの
倭式複式簿記があったればこそ、近代西洋文明システムの定着が容易だった...と言われれば反対はしない。

たしかに簿記の左右の等式均衡法則は、...
当たり前と言えばそれまでだが、身震いがするくらい感心する。
フローとストックがみごとな関連性をしめす。
勝手に感動してしまえば、オチが無いなもんで...


マトモな大学の文学部国文科は、古文書解読が必須だった。
今は知らないが、必ずそうしてほしい。
古文書と称するもの、八割九割は読まれていない。
デジタル媒体と違い、和紙に墨ならは千年は持つとは言え...
早く解読され、未来への貢献を待っている。
たいていは、商家の帳簿を読まされるそうですが、
無味感想の中に真実はあるのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿