2021年9月5日日曜日

草莽崛起

 草も莽も漢字の意味としては「くさ・くさむら」

重ねて熟語になれば、背丈を越えるような生い茂った草叢のイメージ。
そこには雑草のような強さを感じさせる....思い出させるのは、疾風勁草
強風になぎ倒されるようでは勁草とは言わない。




名題は「孟子」が出典。
草深い野にある無位無冠布衣の逸材をもって「草莽の臣」と呼ばしむ。
統治者たる者、三顧の礼をもって接遇せよと諭しています。
けだし孟子こそ「草莽の臣」であり、生涯不遇であった屈曲した情念が滲み出ていますし、考え方もかなり過激な革命煽動家めいた部分がある。


ある種危険思想視されてきましたので、、、倭国幕末期に孟子に深く傾倒したのが吉田松陰。

二十歳過ぎ早々に士籍剥奪世禄没収の憂き目をみていますから、彼が長からぬ革命思想家として名を成したころは孟子同様に草莽の臣だったということ。

松蔭には孟子と違い権力に媚びるような不純さは皆目見られず、ひたすら革命教育に勤しみ....草莽崛起論を喧伝する。

つまりはある程度の知力や財力を持つ意識高い系なプチブル革命運動論です。




革命はマスとしての民衆の数が物言うが、エリートめいた陰謀家的なリーダーの能力なくしては勝利は望み得ない。また煽てあげられた草莽の多くは途上に於いて斃れていき、一部の小賢しい変節漢モドキだけが大義の上に胡座をかくことができる。

そんな歴史に学べば、誰も革命に身を投じようとは思わない。
身を捨てて浮かぶ瀬もある....とは太鼓もち

職業に貴賎はないとはいえ、一流人がやるお仕事とは思い難い。

だから一流は政治や革命を目指さないのよ

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