サブタイトルが「秋丸機関の最終報告書」だって?
陸軍主計将校である秋丸次郎が戦争経済研究班長として、主として在野の俊才(有沢広巳を筆頭に)を金に糸目をつけずかき集め、戦略のシナリオを策定した事は事実だが、、「最終報告」が昭和16年夏に行われたものの、その報告書の存在は洋としてしれない筈だ。数多くの残片的なレポートがあり、それらから想像しているだけの話しだから、、、刑事裁判ならば伝聞証拠は排除される。
仮に「科学性と合理性のある」レポート類であっても、それを活かせない大本営組織は「科学性でも合理性」とは無縁だという事
著者の林某氏は過去の経歴からは想像し難いくらいなんとも胡散臭い。在野の理論的国体明徴史家で政治に色気を出すし、著作も真っ当な版元は歯牙にもかけないようだ。
陸軍の必勝の戦略を潰したのは海軍の対米開戦にあるという指摘は鋭い。
英中蘭(ABCD包囲網の内アメリカとは直接戦わない)だけを相手に東南アジアからインド洋を主戦場とすべきなのに、国家の方向は米国と戦う事にのめり込んでいく。
アメリカンの輿論は「兵站の支援はいかほどでもやるが血を流すつもりは毛頭ない」、、、が、リメンバーパールハーバーが空気を変えてしまった。チャーチルは狂喜乱舞しヒトラーが天を仰ぎ嘆息したのも当然の話。
インド洋の制海権を軸に日独の直接連携なんて地球儀外交的で眉唾だが、ビルマ経由の中国支援ルートが立ち枯る可能性は高かったと思います。
大東亜共栄圏なるアジア解放は理念だけであり現場でやっている事は切り取り強盗以下。とてもじゃないが亜細亜の盟主の名に値しないと、、、
開戦の詔書を過去と読み比べればそれがよくわかります。「国際法の条規の範囲」なるカッコ内の文言が消えています。
主上は相当に抵抗されたと伺っておりますが、あの戦犯極悪宰相が押し切ったとのこと。陸大のカリキュラムから戦時国際法の授業を割愛した奴だもん。法の正義や道義なんかどうでもいいのですよ。
この開戦の詔書と日露戦争の際の勅を読み比べてください。
陸海の戦略の調整統合の為に大本営を設営したはずなのに、、、一体何を議論し決定していたのか?
陸海相争いその余力で米英と戦う....とはよくぞ喝破したものだ。
内ゲバに勝つ方が正面の敵と戦うより大事って、、、今でも良くありますが、迷惑するのは陛下の民草だって、、、なんにも考えていないのでしょうなあ
以下独り言
....と海軍批難するのは簡単だが、日本海海戦以降アメリカを仮想敵国として準備万端を整えてきた、、、にも関わらず「戦うな」では存在の全否定であり、内乱をも辞さないって事になっただろう。
けだし、加藤陽子先生が仰るように、、、
のですよ。
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