2023年3月22日水曜日

砧の段 独吟

 世阿弥晩年の傑作が「砧」

怨情綿々たる味わい深い詞章がこれでもか!とばかりに全編縁語掛け言葉を駆使して、、、



砧あるいは砧うつとは、晩秋の風景で俳句ならば秋の季語

布地を木槌で叩き、なめすようにアイロン掛けをするさまを思い浮かべればいいのだが、今や死語。

我が陋屋のどっかに、多分代々の木槌はあるはず。



おはなしは、訴訟沙汰で三年余り留守にした夫を待ち侘びる妻に、年末には必ず帰ると夫の秘書が便りをもってはきたのですが、、、、

.......

西より来る秋の風の吹き送れと間遠の衣打たうよ(いまは秋、飽きられた女のところから、遠い都に、西風をおくれとばかり、砧をうとう)」

わが心かよひて人に見ゆるならば、その夢を破るな破れてのちはこの衣、たれかきても問ふべき (私の心が夫のもとに通じて、夫が夢をみるなら、夢よやぶれないでくれ、破れたならこののちは、この衣をだれが着るだろう)」

夜嵐 悲しみの声、蟲の音、まじりておつる露涙、ほろほろはらはらはらと いづれ砧の音やらん (夜の嵐、悲しみの声、蟲のなく声、それらがまじりあって落ちる涙 ほろほろはらはら どれが涙の音か、砧の音か…)

......

ところが、やっぱり帰れないってJPの速達が、、、やっぱり飽きられて若いオンナができたんだって悲嘆のあまり、妻は病死。なんて悲劇的な展開。


アタシが独吟(オペラの聴かせどころを10分強楽譜なしのアカペラのソロで歌うようなもの)で、上記の山場のサビを詠うのが今年の趣向。

毎度ながら

途中で立ち往生しないかなあ

正座ができるかしら

袴の裾を踏んづけてつんのめるとまずいなあ

ちゃんと着付けが出来るかなあ(五つ紋ですから、胸の紋の位置が揃わないと、、、)

忘れそうになったら、本邦初の作詞作曲を披露すればいいはなしだし、多くの観客には分からない(上手く誤魔化すのはお手のもの)から、このあたりはまったく心配していない(^^)



四月二十三日に渋谷辺りで死ぬ程退屈しておられたら、冥土の土産なり怖いもの見たさに是非とも足をお運びください。見料は頂戴しませんから(^^)

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