2023年3月21日火曜日

朧月夜をもう一度

 あらためて



和歌の数は?
理論的には、三十一文字の31乗
しかし「あ」が並ぶだけならばふつうは和歌とは言わない(^^)
でも、

あかあかや
あかあかあかや
あかあかや
あかあかあかや あかあかやつき

実際にある明恵上人の和歌(助詞が多少あやしいがだいたいはこんな感じ)
たった五音だけですが、、、和歌と言えなくはない(^^)


国歌大鑑なる大部な書物には約45万首の和歌が収録されていますから、王朝和歌の総数はこれ位。
でも、万葉集や八代集くらいが話題ですから、その合計でも一万首(八代集合計)

ということで「おぼろつきよ」なる字句のある和歌を総索引から探す。

万葉にはありません。「おぼろかに」なる字句がたったひとつだけ、
八代集には、ズバリ「おぼろつきよ」は三首。
先に紹介した大江千里の和歌以外はたったこれだけ





式子内親王.....賀茂の斎王。つまり祭神の花嫁を十年余り。青春の真っ盛りを「無駄」に生きた訳だし、病弱でもあったようです。
その間に和歌のトレーニングをした訳がないから、以降定家の姉弟弟子。
定家がのぼせあがってストーカーに及んだかどうかは知らない。
あんまり幸せな生涯でもなく、私家集収録の和歌は四百に満たない(定家の総作品の一割くらい)?
しかしその三分の一は勅撰集にえらばれているそうです、、、って物凄くありませんか


この世には 忘れぬ春のおもかげよ
朧月夜の花の光に

これは何故か勅撰集には選ばれなかった。
鮮麗ながら倒置法以外のさしたる技巧もなくて「薄ぼんやりした月の光に桜が映えるのがこころに残る春の風情」だと素直に詠んだだけ。
彼女は「玲瓏の歌人」と呼ばれますが、、、けだしけだし

アタシは良い和歌だと思います

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