2023年6月17日土曜日

統帥権干犯

 今時は誰も使わないが、その概念がなくなった訳ではない。平明な表現に変わっただけです。


自衛隊法第七条によれば......


内閣総理大臣は
内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する。

この「最高の指揮監督権」を強面に表現すれば「統帥
権」だということ。
しかし、旧憲法においては.....
それは天皇の権限とされたが、当たり前のこと。ど
この国家でも国家元首のお仕事だと決まっている。
天皇大権は国務大臣の輔弼(現行憲法による「助言」
と同じ)によるが、統帥権については参謀総長又は
軍令部長がその任にあたることになる。

一般の大権と異なり内閣府の埒外にあるようにみえる
ことから「統帥権の独立」と言われ、曲がりなりにも
かぼそく成り立つ三権分立外にこの大権が存在してい
るという解釈の余地を残した。
しかし、文武官任免権は統帥権とは別に行使可能。
軍務大臣の輔弼で統帥部(参謀本部や軍令部)の人事
を刷新してコントロール可能なはずなんだが、、、
所詮は同じ釜の飯を食ってる軍人同士(学校と教育
委員会の関係も似ている)ですから、張作霖爆殺事件
の顛末のようになる。
関東軍参謀達がやったこそ天皇大権に違背し蔑ろにす
る統帥権「干犯」そのものなんだが誰もそんな事は
言わないのは不思議(^^)
軍人は何をやっても「干犯」にならないのだ。

戦時における軍組織の統率や用兵作戦に素人
の文官が口を挟むとろくな事にならない。
しかし、平時にまでその考え方を拡張するのはやりす
ぎだ。
司馬さんの「坂の上の雲」のあるエピソード(史実か
どうかは知らない)
師団編成(兵隊の数)は、平時と戦時で
は倍くらいに膨らむ。出陣する兵の数の報告を聞いた
際に「そりゃ多いだろう」と思ったが、口出しは控え
た....だって戦時の編成は統帥権ですから内閣府は口出
しの権限はない。この当時は文官も武官も抑制的だっ
たのです




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