2021年2月15日月曜日

聖なる犯罪者と罪なる聖職者

 

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辺境のポーランドが映画大国であるとマニアックなエイキチは言います。
しかし、ハリウッドアトラクションが席巻する昨今、ヨーロッパの映画藝術の芳雅に触れることは少ない。

聖なる犯罪者

少年院を出所した若者が、ふとした偶然から若き司祭になりすまし、小さな田舎町にもたらした癒やしと困惑が、混乱のさざなみになる....っておはなし。
カトリックの世界は前科者は聖職者になれないというきまりがあることは知らなかった。若者は少年院で神に使える事を願うが、ルールが希望を打ち砕く...


戒律の委細を調べようとしたが、よく分からないから断念。

仏教の世界だと殺生の限りを尽くした果てに仏門に入る...というパターンが多いのと対照的。しかし、彼らは私度僧みたいな隠者であって、正式な得度をうけていない者も多いようだから「対極の存在」とまでいうのはあまりに紋切りかも?



罪を犯した事がなく正規の神学教育を受けたから、聖職者に相応しい...かどうかはよくわかりません。




宿痾としかいいようのない聖職者の年少者性虐待。

今時風に言えば「組織全体の本音」みたいなものだろうか。


フランス版のポスターですが、英語で言えば、


Grace of God(神の恩寵)


フランスを揺るがしたスキャンダルに対する釈明記者会見で枢機卿が口走った「ひとこと」

口語的には「幸いにしてとか運のいいことに」という感じらしい。

多くの被害者がいる中で渦中の聖職者が、時効の壁で刑事訴追されないことに対する安堵の失言。


言葉の魔法と魔法の修辞だけで二千年間西洋の精神世界を支配した組織の幹部としては適格性が問われる....が誰も辞任したものはいない。




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