2021年2月1日月曜日

大逆罪なるもの

 瘖唖者の行為はこれを罰せず

または軽減する....

初めて刑法のお勉強を始めた頃、結構削除条文があるもんだ!って思いましたが、安酒や泥水を沢山飲むと、書いてあることよりも「書かれていない事」に興味が移る...

冒頭は、削除された刑法第四十条
そもそも意味以前に読めないし、スマホ辞書だと変換もしないかも...個々の漢字は辞書にはあるが、読めない以上タイプインのしようが無い。


....回答はスルーして「大逆」事件のおはなしが今日のお題です。

紀州は新宮の無頼の徒たる幸徳秋水以下二十数名が、大逆罪で訴追されたのは明治の末。

彼らを処罰した皇室に対する罪の章はまるまる削除されてます。

如何なるものかと調べるに....


天皇、太皇太后、皇太后、皇后、皇太子又ハ皇太孫ニ対シ危害ヲ加ヘ又ハ加ヘントシタル者ハ死刑ニ処ス


なんとも凄まじい...
処罰は死刑しかない。
危害だから、殺意も必要としないはずだ。
加担した者はすべて共同正犯。
予備陰謀だけでも処罰出来る。

王政の国家には不敬関連の罰則はあるのが当たり前ですが、あったとしてもかくも苛烈な処罰体系は聞いた事がない。建て付けが粗雑だとしかいいようがない。
現行の内乱の罪は非常に重いのですが、首謀者とそれ以外、犯罪の段階に応じて罰の上限に差がありますし、最高刑も死刑または無期禁錮。

更にいうと、大逆罪の裁判は最高裁で行われ(実質的に一審制)弁護人は付きますが、非公開裁判。


この事件自体は「でっち上げ」ではないようです。
実際に爆発物のプロトタイプをつくり、爆破実験を行ったとされます。
しかし、全員が加担した訳ではなく、大半の被疑者は「冤罪」だと言われるのは多分正しい。
首謀者が幸徳秋水というのも疑わしい。言われる程の人物とも思えず、資産家にたかり、オンナにだらしない大言壮語家でしかない。
事件をディフォルメするためにスケープゴートにされたのはお気の毒でした。



大逆事件関連の書籍をパラパラ読んでの感想ですが、他にも三件の当該条文適用事例があるらしい。
しかし、虎ノ門事件、朴烈事件までは知っているが、あとが分からない。
虎ノ門事件では、実際に狙撃され馬車に同乗していた侍従が手傷を負っています。
朴烈事件は....妄想ばなしが陰謀だとされたファンタジーみたいな...共犯である彼の情婦の金子文子は獄死していますが、つい最近かの半島国は「良心的日本人」として叙勲したそうな!
とやかく言う気も無いが、テロリストやら犯罪者を称賛するのは如何なものか。
国家としての自尊心がないのかね







0 件のコメント:

コメントを投稿