六月は水無月
陰暦だと一年の半分が過ぎ、月が変われば秋
半年の汚れの禊をするのが、夏越の祓(残りの半年は年越の祓の持ち場)
夏越払いは水無月祓とも言う。
能にも「水無月祓」なる演目がある(写真は鐡仙会舞台の写真をお借りした)
行方知れずのオンナとこの日賀茂の神社で巡り合うお話ですが、待ち人再会の伝承を背景とする祭事でもなく、単なる舞台装置。
だから、別れたあの人に再会したい、、、なんて気持ちでお祓いに出向くようなら厄いを招きかねない
この祭事には「茅の輪」くぐりが付き物だが、
神社の由来縁起に関係なく客寄せ的に行われているのは如何なものか。
祭神にスサノオがいないのならば本来はおかしいし、、、それにこの映像のこんな呪文じゃダメ!
水無月の夏越の祓するひとは、千歳の命延ぶというなり....
アタシにはあまり馴染みがないのですが「蘇民将来子孫」なる護符がある。
なんのことだか、サッパリなんだが、蘇民将来とは貧しいが心優しいオトコの名前であり、その末裔だということを意味する。
ある日旅人が一夜の宿を乞うが、富める兄者は邪険に追い払い、貧しい弟が細やかながら心温まるもてなしをした。
この旅人こそ荒ぶる悪神(悪はワルイなる意味ではない)スサノオの化身
相手の対応次第で災厄をもたらしたり、幸いを与えたり...
旅人は茅の輪を纏うように蘇民将来の一家に告げ、旅の途についた。しばらくして災厄が辺りを襲い...茅の輪をまとった
蘇民将来の家族だけが難を免れた。
難渋する旅人を貧しいながら精一杯のおもてなしをする事で幸いを呼び込む伝承は「謡曲鉢の木」もそうだし、、、これって鎌倉殿の十三人には....多分出てこないだろう。この名作は暖をとるために秘蔵の盆栽を炉にくべてしまう事が有名だが、蘇民将来と同じようになけなしの栗ごはんを振る舞うのでした(ちょっとうろ覚え)
つまり、本来は年に二回の大祓は公的な神事なんだが、民間伝承的なスタイルとなって我々の日常と共に命脈を保っているということ。夏越払行事食やら和菓子なんかもあります。
無論、神事にまつわる食い物には美味いものなし。
危険な暑さが続く時期。
ハシリの鱧のお鍋をたべル方がよろしいかと(^^)
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