2022年6月29日水曜日

ねてもさめても、、、ただあなただけ

 コールポーターの名曲、Night and Day



あまりな名曲ですから、分かり易く(多少品下がるって気もしなくないが、、、)



それが百人一首の世界だと....


解釈を間違えていけないが、夜は燃え上がるように身を焦がし、昼間は消え入るように物思いにふけっていると心情を吐露します。

つまり、、、寝ても覚めてもただあなただけ


詞花集なる勅撰和歌集収録ですから名歌です。

時代は十世紀半ば、、、この頃の和歌は分かり易い。

最初の五句、七句は序詞で「燃え」を引き出すだけですから、字句の使い方としてはあまりに勿体ないし重層的ではない。


少しだけ時代は遡りますが、清少納言の祖父(あるいは曾祖父)の勅撰和歌集(古今集)収録歌


満潮の流れ干る(昼)間を

逢ひがた(潟)み

海松(見る眼)の浦に

寄る(夜)をこそ待て


趣旨は多少違います。

寝ても覚めても想いは同じなんだが、昼間は人目を憚るから、夜まで待ってね

それに干潮のころは小舟じゃあの干潟は無理だから、夜の満ち潮まで待っておくれよね....


昼と夜の対句ならば、好き嫌いはあろうがこちらの方が遥かに技巧的だ。

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