すっかり少なくなりましたが、そのすくなさも風情でしょうか
須磨の浦 藻塩の枕 とふ蛍
仮寝の夢路 わぶと告げこせ(定家 拾遺愚草)
お題は「海辺の蛍を見る」ですが、アレコレ仕掛け満載に凝りに凝った和歌です。
蛍といえば「魂」の化体ということをズバッと言い切ったのがこの貴船神社で詠んだ和泉式部の名歌。
あまりの出来栄えに祭神が歌を返したらしい。
須磨の浦はヒカル君が不倫騒動(皇太子の婚約者を誘惑)の果て都ところ払いとなり、謹慎していた場所ですが、その先例が在原行平(業平の兄)
ヒカル君と違いその理由が判らない。
写真では分かりにくいが、
わくらばに 問ふひとあれば
須磨の浦に藻塩垂れつつ
侘ぶとこたへよ
高位高官であった貴族さまが塩田職人にまで身を落とすわけはないが、はるか淡路島なんかをひねもす無為に眺めていた、、、だけじゃなくて、海辺の姉妹(村雨松風)と結構楽しく遊んでもいた(歌碑の左側が都に帰る際に二人にこの和歌を残した)
待っているって風の便りがあれば直ぐに帰ってくるからね、、、なんとも空々しい(^^)
しかしこの和歌の本歌は伊勢物語45段らしいが、とてもそうは見えない
片想いの果てにオンナは薨るのですが、夏の終わりの頃オトコは高く飛びかう蛍をみて....
しみじみと、、、なかなか味わい深い和歌
定家はアレコレ先人達の和歌のモチーフを散りばめ、細工物のようなちらし寿司みたいに作り込んだのですが、いささかやり過ぎ。
だから勅撰集からは忌避されたのでしょう
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