王朝美學的には、彌生つもごりを過ぎて卯月に入った頃。無論夏衣装から冬服に変えるのも衣替えだが、歌題的には春から夏に尽きる。
夏の和歌は素材が豊穣とは言い難く、桜が散り果てれば、卯の花、花橘、、、後は初夏の主役は不如帰。
しかし、杜鵑は初夏の先駆けではあるものの、人里に訪れるのはしばらくあと。
卯の花の 匂う垣根に
子規
早も来鳴きて.....
佐々木信綱先生の「夏はきぬ」ではそんな雰囲気が出ています。
あらまあ!もう子規がやってきた
桜襲に 染めし
衣を脱ぎかへて
やまほととぎす 今日よりぞ待つ(後拾遺 和泉式部)
オリジナルは「さくらいろ」ですが、すこし気取ってみました(^^)
恋に奔放な和泉式部の時鳥とは、恋人のナントカ親王のことだろう。
夏仕様の勝負服に衣替えをして、、、、はやく逢い来てくれないかなあって(^^)
いやいや、勅撰集の巻頭歌だし、全体の爽快な感じからして、そんな見方は邪念がこもる
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