なんといっても、王朝美學の世界の鳥は
鶯
子規....を双璧にして、あとは雁(帰雁)程度
花は視覚に芳しいが、鳥は聴覚のようだ。
視覚的に美しいのは、鶴とか、、、燕だってあのアクロバティックな飛翔の様は実に素晴らしいのだが....
ところが、八代集には燕は登場しない。
万葉集には、たった一首
燕来る 時になりぬと 雁がねは 国偲びつつ 雲がくれなく
万葉集巻19、作者は家持ですが、明らかに、主役は雁
蘇武の故事もあるし、折口信夫先生の「マレビト」の世界観が倭人の琴線に触れるのかな?
それに、雁の鳴き声のもの悲しさにも心打たれるのかもなあ(燕の鳴き声は騒がしい)
つまり、、、ここでも聴覚の世界なんです。
現代に至り、倭人の感性にも変化が、、、
高い空から教えてよ 地上の星を
つばめよ
地上の星はいま 何処にあるのだろう・・・・
かの歌姫の「地上の星」ですが、他にも
サーカスの歌(たびのツバクロ さびしかないかい)
チェリーブロッサム(つばめがとぶ 青い空)
越冬ツバメ
しかし、最近は燕さんを見ることが少なくなった
古来、稲作時の害虫駆除の益鳥として大切にされてきたし、街中でもツバメの巣のある家は安全であるって言われてきた。
餌となる害虫が少なくなり、巣作り用の泥や枯れ草の入手が困難になったからか・・・飛来数がへってきたのでしょうか?
小松左京の「日本沈没」のあるシーン
かの黒幕の鎌倉の男が、地震学者の田所博士に尋ねる...
今年はツバメが来なかったが、なんかの変調かね?
レイチェル・カーソンが「鳥たちが鳴かなくなった春」ということで環境問題に警鐘を鳴らしたのは、62年のこと
もう、半世紀も前のことです。
鳥の声はますます聞こえなくなっています。
つばめさんが、いなくなったのは「地上の星」が既にいなくなってしまったからもあるのでしょう。
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