クリストファーノーラン製作の「オッペンハイマー」
オスカーレースのフロントランナーに躍り出たらしいし、批評家や観客の評価も上々だし、興収は既に製作費の五倍、、、
そのなかで「唯一の被爆国」だけが蚊帳の外(劇場公開は悲観的だから動画配信サイトのお世話になります)
開発の苦労や科学者の苦悩なんて小難しい内面心理なんかよりも目を背けたくなるような地獄絵を無理矢理でも見せつける方が大事だし、それを描かない映画は反核映画の資格はないそうだ。
かような昔ながらの反核運動論が効果的ならば、70年余の運動で世界はもう少し前進しただろうが、識者の見るところでは「より危険に後退」しているらしい。
上映反対!を主張するのは勝手だが、世界の「原爆認識」の視座が次元の違うものになっていくのをただ傍観するだけでは危険な事態は緩和しないし、運動の自壊だ。
別に狂言綺語ではなくて、核廃絶だろうが核抑止だろうが実の所その基層にあるフィロソフィーは同じだ。
核兵器は「絶対悪」である、、、この共通認識には変わりは無かった。
しかし今では、、、、
世界の「核クラブ」のメンバーは九ヶ国と言われる。
その内で超保有国は近々には三ヵ国(米露中)
困ったことだが、核クラブメンバーの全てが「絶対悪」だと思っていない向きがある。
少なくとも、北鮮、パキスタンはそう思わざるを得ないし、昨今の言動からして中露も疑念がある。
つまりこれらのローグネーションは政治目的達成の選択肢として核兵器を躊躇なく先制して使用する可能性が極めて高い。
世の中、地獄絵を見せつければ地獄絵が起きないように尽力しようと考えるって、、、あまりにナイーブ。
そうか!こんなに破壊的な威力があるんだ!って逆効果かもしれない。
見果てぬ夢は追うな、、とまでは言わないが、その前の現実的段階論を無視してはなるものもならない。
倭國の地政学的立場を考えれば、理性ある国家だけが廃絶に取り組む事は自殺行為に等しい。
身も蓋もなく言えば、、、本気本音で核兵器が絶対悪だと考える国家とその人口は案外少ないのですよ
核廃絶派の正面の敵は核抑止力派ではなくて、、、
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