岡義武先生の名題の評伝は名著だ。
簡潔平明公平。
なによりも、戦前政治史の理解には「山縣有朋なる補助線」が欠かせない事がわかる。
伊藤博文との駆け引きからくる政局、それ自体が政治史である。
伊藤博文暗殺以降は、ある意味でキングメーカーとして彼の思うがまま、、
枢密院議長元帥陸軍大将従一位大勲位功一級公爵
小石川護国寺にある山縣の墓石にはかようにかかれているそうな。さぞかし背丈のある墓柱に違いない。
けだし位人身を極め、、、とはこれをいう。
幕末維新を生き抜き、陸軍を足がかりに己れの閥族を政官界から宮中にまで配し、戦前日本を思うがままに壟断、彼の死によりやっとこさひ弱な「デモクラシー」が生まれた。
頑迷固陋、保守反動、、、彼のおかげで近代民主主義は半世紀は遅れ、結局のところ民衆に根を張ることはなかった。
国憲派だし、己れの保身はさらに大事。視野には民草なんかかけらも無い。
伊藤博文の不倶戴天の敵とも言えるが、この評伝を読んでいれば、伊藤ですらリベラルにみえてくる(^^)
作庭や作歌の才も多少はあったらしく、若い頃は槍術で身を立てるべく身体頑強でもあり老年に至るもトレーニングを欠かさず天寿を全う。
維新の功労者の多くは争乱の中で命を落としたのだが、悪運が強いとは言わないが、無事是名馬。
早死にすれば元も子もない。
功罪中ばとは言わない。
伊藤に与せず日英同盟を推進し、明治期の二つの防衛戦争を軍人として勝ちをもたらしたのだ。負けてれば評伝どころではなかった。
色々あろうが、軍閥が跋扈した時代の軍人ほど馬鹿でなかったことだけは幸いした。
安倍晋三が座右の書のように愛読した理由がよくわかる(^^)
To be continued
0 件のコメント:
コメントを投稿