2020年10月24日土曜日

十大小説...ボヴァリー夫人


 世界の十大小説というと、サマセット・モームのこのエッセイ。エッセイ自体は真面目に読んだことはないが、如何にこれらが素晴らしいかの駄弁を弄している。速い話が19世紀的世界で素晴らしい...端的に言えば、小説の醍醐味である「面白さ」を満喫させてくれるかどうかで選んだということ。

このエッセイは五十年代に書かれたようであり、二十世紀を代表する....

ユリシーズ
失われた時を求めて 

が刊行されていたはずだが見向きもしない。
そりゃこれらの大傑作には「面白さ」なんかありはしないから当たり前。あと十年くらいあとならば、マルケスの「百年の孤独」は当確だと思うし、既に「ブリキの太鼓」なんて抱腹絶倒な面白さ満載の小説もあったはずだが、、、読んでなかった?
要するに19世紀という「近過去」から選びたかった。同時代作家作品を選ぶとなれば、嫉妬羨望に苛まされるからに違いないし、その程度の自覚はあったと思うよ。
モームって、原稿料の馬鹿高い通俗作家と言うのが通り相場ですから、世間的名声の割に...だからさすがに目利きの出来ないノーベル財団ですらパスしたのよ。

この十大小説も全部は読んでませんが、確かに面白さ満載。
三面記事的興味本位な週刊誌ネタばかり(^.^)
例として一番.....一番大好きな「ボヴァリー夫人」
19世紀文学は、これと「高慢と偏見」以外なにもいらない。

マダムボヴァリー(名前はエマ)没落農業資本家の娘ってところが19世紀的。結婚相手は...医師と薬剤師の中間的存在。正式な医師がいないと医療行為が出来る医者もどきが当時のフランスにはいたらしい。
エマの夢は質朴で誠実な夫よりも、虚飾的華美。
破綻は直ぐに訪れる。
19世紀的資本主義とは薔薇色の未来とは無縁な新自由主義的なグリーな世界

エマから搾り取ることしか考えない色事師
役立たずな若いツバメ
言葉巧みに言いより全財産を巻き上げる高利貸し
ワルに裏で加担する893医師

エマが自殺し、ボヴァリー家の没落ってたちまちのこと。
アタシって歴史上最悪の薬剤師を見た!





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