Werk ohne Autor
翻訳しにくいなあ....作者のいない(或いは明かされない)藝術活動かなあ?
少なくとも「ある画家の数奇な運命」....が適切とは思わないが、単なる芸術家の一代記ではないから、プロットは数奇とも言えますから、三時間が退屈ではない。
現代芸術の巨匠と言われるゲルハルト・リヒターをモデルとするらしいが、そもそもリヒターなる人物を知らない。映画の上では、東ドイツで辛酸を舐め西ドイツに亡命し、ビジアルアーティストとして脚光を浴びる。
しかし、物語のキーワードは、優生思想
頽廃芸術に共感する....それ自体頽廃病理的というのが
ナチスの優生思想に裏打ちされた藝術感。
ファシスト、コミュニストの違いはあっても、支持される芸術様式は全く同じだ。しかし、どちらでもない陳腐な中庸の世界では、芸術自体がその名に値しないことも確からしい。
イデオロギーに奉仕する芸術は虚しいが、キャピタリズムに毒された芸術もまたしかり。
物語風に説明すれば、、
幼い主人公の魂を育んだ美しい叔母は統合失調症で劣等人としてガス室へ
ガス室に叔母を送り込んだ優秀な産婦人科医は、ソ連軍将校の妻の難産を上手くこなした事で、戦争犯罪追求の手を逃れ、戦後を悠々と生き延びるが...
産婦人科医の一人娘は、主人公と数奇にも美大で邂逅し恋に落ち結婚へ.....
悪しき優生思想の信奉者たる産婦人科医は、娘の妊娠が許せない...悪しきDNAはこの世に存在してはならないと...そこまでやりますかねえ
将来を嘱望される主人公は藝術性の葛藤から西へ亡命し、エキセントリックな美大教授の薫陶を受け....
フォトペインティングの技法で一躍時代の寵児へ
確かに単純な芸術家の苦悩と葛藤から歓喜へ、、なんておはなしではない。
さすがにジャーマンシネマの寡作な巨匠です。
でも、何故かこんな作品の監督でもある。
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