ピアノの近代史(井上さつき著)を斜め読み...と書けば著者に失礼だが....無論少しは知っているが、知らないことの方が沢山
だから実に面白かった!
先ず知っていた事
18世期初めにイタリアで生まれた音域4オクターブ程度の打楽器がピアノの濫觴。
今のピアノの音域は7オクターブと少しだが、古典派時代はせいぜい5から6オクターブ。だから音域が広くなると楽曲の藝術性が高まるわけではなく、むしろ女性差別につながり...だからアタシは後期ロマン派なんか嫌いだ。
スタインウェイとヤマハグループ(ベーゼンドルファーを含む)が世界を支配する二大メーカー。あとは雑魚。
知らなかった事
ヤマハはブランド名で、日本楽器なんとかが元々の商号。川上家がオーナーと信じていたが、彼らは住友財閥系のプロ経営者であり、山葉さんという方が創業者だったんだって。いまは商号もヤマハとなった。
その山葉家は歴史的な労働争議の結果放逐。労働側もかなりな犠牲者を出したが一応の勝利。一方でクビを切られたり、創業者に殉じてヤマハを去った郎等が作ったのが、カワイ楽器。近親憎悪めいた怨念が残り、長く暗闘を続けたらしい。
しかし、山葉氏がピアノの製造を始めたのが明治の中期。あんな西洋音楽不毛の時期に....なんともスゴいバイタリティ。だから今の倭国があるのだ。
ピアノの生産台数は減少の一途。国内需要の低迷には理由があり、如何ともし難い。しかし、ピアノ買います!コマーシャルのみみざわりなこと。
あの会社は、古いピアノをチューニングしたり、パーツの再利用なんかで新興国に日本品質ピアノを売り込んでいるのですよ。
発展途上国の豊かさは自動車をメルクマールにするが、結構ピアノも指標になるのです。
その意味で、海外市場でピアノ産業はそれなりに生き残れそうなのです。
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