2022年3月7日月曜日

ナイルに死す

 アガサクリスティが生み出した世界的な名探偵エルキュールポアロ氏ですが、来歴等には謎が多い。

ベルギー人で元警察署長だと言われるが、生年は定かではない。初めて登場したスタイルズ荘の事件は1910年代であり、その時には既にリタイヤしていたのだから19世紀半ばの生まれ、、かな?

ホームズ氏はアレコレ手掛かりを作者が残していますからさまざまなスピンオフ作品が可能なんだが、ポアロ氏の場合は、、無理だわ


Death on the Nail 

早川書房の原作は「ナイルに死す」の邦題ですが、映画版は二回とも「ナイル殺人事件」

犯人探しのおはなしなんだが、なんとも倭語のセンスが悪い。



今回は特に謎解き犯人探しよりも人間ドラマ的....RSCの看板役者のケネスプラナーの作品ともなればシェイクスピア劇テイスト。

役者に関しては前作は知名度的に豪華なんですが、今回はかなり渋め、、自分が目立ちたいからな(^^)

ケネスブラナーは数年前に「オリエント急行殺人事件」をつくっており、その際に続編として予定されていることが示唆され、ポアロ氏の若い友人がまたまた登場しました(単なる狂言まわしではなく今回はかなりシリアスな存在です)


原作は読んでいないし、前回の映画版はあまり記憶にないが、今回は原作をかなりいじっている模様




冒頭は1914年のWW1の塹壕戦

ポアロ氏は若い兵士として卓絶した勲功を上げるのですが顔に酷い傷を負う。泡食って見舞いに来た婚約者のカトリーヌはポアロ氏を見捨てはしなかったが(愛にルッキングは無関係だって)、、、その帰りの列車がドイツ軍に爆撃され、彼女とはそれっきり。

ポアロ氏は顔の傷(と実はカトリーヌを失った心の傷も示唆されます)を隠すために大仰な口髭を生やすことになった

そして舞台は1937年へ、、、、かの愚策であるヒトラーとの宥和政策の真只中


明らかに時代設定を四半世紀程度ずらして人物造形を作っていますし、婚約者のエピソードも物語の展開上欠かせない。

しかし、謎解き犯人のトリックってミステリーオタクからすれば直ぐに薄々感じちゃうんですよね(^^)




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