紀貫之
古今和歌集の時代の大歌人、、、なんですが、正岡子規に「下手な歌よみ」と罵倒されたまま未だに再起出来ないでいる。
そういうお前さんは「上手な歌よみ」かいな?って言いかえせばいいのが、、、じつのところは下手な歌人とは思わないが、人麻呂や定家みたいな大歌人とも思わない(以下さしたる根拠にも乏しい極私的な意見)
自分で数えた事はないが勅撰集に四百首を超える自作和歌が収録されており、数からして金メダル級
それだけ歌集のアラベスク的秩序形成にかかせない万人受けしやすい歌風だということ。
ちなみに彼の和歌のおおくは屏風絵歌....お部屋の調度品に描かれた花鳥風月の讃としての和歌だと言われている。
写実とは無縁の虚構の風景につきづきしい細工物のような和歌であり、必然的に理知的つまり理屈っぽい歌になる。
散り果てた桜花だって貫之の手にかかれば、素晴らしい世界が生み出される
この和歌を詠んで落花吹雪を見れば、虚空に白波の幻影が見えなければ嘘って事ですよ。
けだし職人芸
芸術家というよりもクラフトマン。思えば、シェフ、ミュージシャン、ペインターなんてセレブの仲間入りできたのは近代末期以降。近世までは宮廷での重宝な下働きの使用人と変わらない、、、芸をもって王侯貴族の歓心を買う存在。
芸者ってそもそもはそれなりの芸を売ることを生業とする存在。
武芸者ってまさしくそんな存在だったから、貫之なんかは「歌芸者」である。
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