昔風に言えば「捕り物系ミステリー」は、事件は現場で起きている以上、本部の会議室はセンター足り得ない。
つまり、下士官が活躍するが、将校の出番は、、、せいぜい現場の足を引っ張るだけ。
倭国の警察組織の総員20万人の中でキャリアはたった五百人。彼らの本務は捜査ではなく管理。
しかし、エリートが颯爽と事件の現場で活躍する様を読みたいって読者は期待するのかなあ、、、この辺りが作者の知恵の見せ所
新宿鮫(大沢在昌)
鮫島警部は、本来は警視正の位階でもおかしくないキャリア警察官なんだが、若い頃不祥事に巻き込まれて、新宿署の生安課に留め置かれたまま。
普通は因果を含められて依願退職し、自動車教習所かパチンコ屋の団体で余生を過ごすんですがね
作者のキャラクター造形が巧みだったもので、30年間にわたる人気シリーズとなり、今年中に第12作(黒石)が刊行される予定。
惰性というか慣性の法則で全作品を踏破した以上、12作目も読むんだろうなあ
同じような設定でキャリアが活躍するのが、、、
コチラの竜崎伸也は任官成績第三位のピカピカ
警察庁官房の課長職(警視長が位階)から息子さんの薬物問題で懲戒。所轄の署長に飛ばされるが、こいつは仕事が好きなんですかねえ、、、辞表も出さず粛々と職務を真っ当する。
しかし、周囲は迷惑します。
警視のポストに警視長が座る訳ですから、、、、まるで、水戸黄門か遠山の金さんの世界(^^)
偉そうにしている方面本部の管理者なんかが、事情を知り絶句し青ざめる。
ある種のカタルシスですが、まことに危険な権威主義とも言えます。
なお、このシリーズのサブタイトルの「探花」ですが、状元、傍眼のつぎの銅メダルの別名です。
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