ポルトガルの作家、サラマーゴの作風を簡潔に言えば、、、このようになる(ノーベル財団による文学賞の受賞理由)
結構多作だし、欧州では高名な大作家の評価を得ているが、ノーベル賞を受賞したのは「白の闇」の英語版が出版されてペストセラーになった事も大きな要素。
映画化もされました(以下は予告編ではなくストーリー解説版です)
突然失明する感染症の流行が始まる。
原因は不明だし、治療の方法もなく、対策は感染者と濃厚接種者の強制隔離だけ。
ペスト禍の17世紀の倫敦と違い、公助も共助もなくただ暴力的な支配社会と化してしまった強制収容所。
主人公たちの解放の日は来るのだろうか?
パンデミックディザスター系の文藝には事欠かないが「失明」ものは珍しい。
ジョンウィンダムのトリフィド時代(1951年)は人類が失明症に犯され破滅するような話だが、趣旨的にはバイオ戦争ものというか異星人来襲もの
いつの時代のことかは分からない
どこの国の話しかも分からない
登場人物の名前は定かではない。
つまり、誰にでもどこにでもいつでも起こり得るという暗喩
ヒトザルは外界からの刺激の八割を視覚に依存するという。全人類的にそれを喪失する事は未曾有の事には違いないが、、、
我々は「見えてはいるものの観ているわけではない」実のところ群盲象を撫でているに過ぎないというアイロニーでもある。
漆黒の闇ならば、愚かであっても自覚はするだろうが、「白い闇」は解りにくい。
座頭の市は冷ややかにいいます。
目あきは不便だねえ。何も観ちゃいない
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