よく出来たリーガルミステリーです。
ジャンルからすれば、主人公は検事か刑事弁護士。欲張った事にヤメ検なんです。
北関東の地方都市が舞台。
なんでこんな場所なんだ?
作者(美形の柚月裕子さん)の故郷でもない。彼女のホームグランドは岩手とか山形だ。
あとは、広島が心のふるさとみたいな、、、
容易に気がつくが、米崎とは高崎のことだ。しかし紛らわしいが、群馬県は前橋市に地裁も地検もある。
事件の関係者は次のとおり
しかし、群馬県に「三森市」なんてあったかしら?
グーグルマップで調べたら、前橋市と桐生市のあいだに「みどり市」がある。平成の大合併でできたようだ。
一体なんの事件の裁判なんだろう?
被告は誰なんだ?
交通事故の裁判ならば、島津何某が被告だろうし、子供を失いその復讐ならば、高瀬夫妻またはそのいずれか、、、当然殺人ならば島津何某が被害者だ。
舞台のフレームが皆目解らない法廷ドラマって初めてだ。
ネタバレをすれば、島津何某が高瀬夫人の殺人の罪で起訴され、弁護人は佐方。最終的に検察の誤起訴という事で無罪判決、、、なんですが、実は余命幾許もない高瀬夫人の自裁を殺人に見せかけたトリックに県警も地検は騙された。
手の込んだトラップを仕掛けた理由は七年前の島津の泥酔による交通事故をもみ消した県警本部と島津の謀議を知ってしまったから、、、
検察は控訴すべくもなく一審で確定判決になるのだろうが、、、事件は終わった訳でではない。
七年前の事件の隠蔽を明らかにする作業が残っている
しかしなあ、、、
公訴時効に抵触しないのかしら?
特別公務員職権濫用ならばギリギリ七年なんですが、起算点は犯罪が行われた時で、七年以内に「公訴の提起」をしなければ、、、犯人の逮捕だけじゃダメなのよねえ。
なんか時効の中断の裏技があるのかも
高瀬夫婦の罪状ってなに?
夫は自殺関与みたいだが、本命は虚偽告訴の罪のようです。最高刑は結構重いのですが、自白すれば刑の軽減や免除もありますし、その辺りを佐方が示唆するシーンもある。
今の国家統治構造からすれば、事件のもみ消しに加担あるいは主導した公務員は既に退職金を貰い退職した身分。いまさら退職金を返せとも言えず、警察の闇のひとつとしと歴史に刻まれてお終いだろうなあ(時効の壁もあるって事でうやむや)
高瀬氏への虚偽告訴も痛み分けで起訴猶予かな?
もっとも社会的制裁は別の話で、島津何某は公的肩書はすべて剥奪され、経営する会社も危うくなるし、家庭も崩壊。
大メディアもこの事件は忖度しないだろうから、めちゃくちゃ叩きまくる。
OBとなった元県警幹部も、多少は返り血を浴びるだろう
その結果が正義なのかどうかは、、、アタシには判らない
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