刊行時期(邦訳ベース)は、黒衣の花嫁が数年先行しますが、どっちも50年代(黒衣の花嫁のオリジナルは1940年に刊行)
舞台は、江戸とNY
どちらも復讐譚(憤死した父親あるいは射殺された婚約者)ですし、復讐を行うのは若い美形のオンナなんですが、どちらも「復讐の対象である加害者」に明確な「殺意」があった訳ではない。
連続殺人事件なんですが、最大の違いは連続殺人である事を明示するか、無関係な事件あるいは事故を装うか。
かんざしで心臓を一突きし、現場に赤い椿の花弁を残す手口、、、、なんて外連味というか情緒タップリ過ぎますが、深い情念のあらわれと思えば作りものめいています。
黒衣の花嫁は、ターゲットを転落死、毒殺、閉じ籠め窒息死、射殺、、、と多様な殺し方を披露
一件それぞれの事件が無関係であるように装いますが、連続殺人事件には名探偵が付き物。
江戸町奉行配下の与力はなかなかシャープだし、NYPDの刑事は想像力豊か。
ミステリーの「約束事」として、理由はどうあれ犯罪者は処罰されなければならないってあります。
彼女達は、一応「目標達成」しますが、あくまで一応。
目標さえ達成すれば捕まっても本望ということでエンドマーク。
優劣を論じることにあまり意味がなく、翻案なのかどうかも、、、、ミステリーとしての建て付けを真逆にされるとねえ。
肝心の「犯人や犯罪の動機」が最初からわかっている事と最後まで解らない違いは、かなり大きい。
五辨の椿のように、最初から犯人や犯人の動機が全てわかっているタイプのミステリーもないではないが、、
しかし、江戸情緒を背景とする風俗小説だと思えば、まあまあかな(^^)
0 件のコメント:
コメントを投稿