2018年11月12日月曜日

賤商あるいは貴穀賤金



金は食えませんから穀の方が尊いのは理解します。
デュマの小説モンテクリスト伯の最後の方で、
主人公のエドモンダンテスを冤罪にかけた一味のひとりが
山賊に拉致され...飢えれば黒パンのカケラにたいそうな金員をはたく
穀には最低の価値は有りますが、金の価値は激しくフラクチュエイト
この地球が金で出来ていれば、土塊の為にヒトザルは
命のやりとりをします。

しかし...
賤商とはあまりに酷い。
正確な意味は「賤しい商人」ではなく「商人すなわち賤しい」だということ。
賤しい職業なんかは有りはせず、ただ賤しい職業人は何処にでもいます。

額に汗して働き銭儲けをする事が神の意志に叶うなんて
嬉しい事が一般的にはなるのは...

西洋は宗教改革以降
倭国は江戸時代の石田心学以降
中国は...よく知りませんが、今の拝金至上感覚からすれば
太古からかなあ?
しかし、明代には、賤商令なる法律があり、商人の子弟は
上級国家公務員試験から排除されていた。
なんとも理不尽な!
一方で売官制度があり、捐納といいますが、
カネさえ出せば...ってところが、本音建前を使い分ける
リアリストの醍醐味です。

そんな裏ワザの理解のないまま、建前の儒教イデオロギーを
振りかざされると困るわなあ。


史記の貨殖列伝を読み、我が意を得たり!
この程度のことは、空前絶後の漢和辞典を編纂された
父を持ち、財閥系大商社のトップまで務めた方がモノ申すべくですよ。
しかし、彼のことではないが、ご同業のもろもろ振る舞いを見るに...

だから、やっぱり賤商なのかねえ

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