1950年代は日本映画の黄金期
ジャリタレの人気、コミック、CGに依存しない本格的な
製造仕様。
近松を原作としますが、知名度的には二線級。
だからなのか
近松物語
として公開されました。
原作はハッピーエンド的な結末ですが、映画版は
陶然とした悦楽的雰囲気の道行で終わります。
お家さん(ヒロインの若奥様)の嬉しげな御顔みるの
はじめてやなあ
茂兵衛さん(手代)も清々しいやおへんがな
不義密通の咎で市中を引き回される二人(二人の手は握られたまま)
に京雀たちは噂します。
近松の不義密通モノには「ギリシア悲劇」風な作品が散見されます。
大半は義理人情のしがらみの果ての道行劇なのですが、
そんなつもりはなかったが...
良かれと思ってやったことが裏目に出てしまい
元に戻そうとすると更に深みにはまり、
抜き差しならなくなり、あとは奈落に落ちるだけ
という展開。
近松のオリジナルよりも良くできている。
原作の人気がないのがよく分かります。
普通の古典全集の近松本にはまず収録されない。
正確に書けば、近松の素材を川口松太郎が戯曲化
それを元に作られた溝口の名作です。
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