ゆりかもめの雅称であり、冬の季題(季語)
冬ともなれば、北国から飛来してきますから、冬に相応しいと言えば相応しいのですが....
名にし負はば
いざ言問はむ みやこどり
わがおもふ人はありやなしやと(古今 羈旅)
今月二十八日はひさしぶりの舞台。
高いハードルをふたつクリアしたものですから、晴れやかに...オリジナルの「伊勢物語の東下りの段」を改めて読んでみた。
舞台をつとめるには背景学習も大事なんです(^^)
謡曲「隅田川」はこの段の本歌取りみたいなもの
舞台装置と意中の誰かへの想いを能楽定番の「子別れ狂女もの」に仕立て直した名曲
オトコ(業平とされます)が京に居れなくなり、あずまの方へ落ち延びていくのだが、その理由は明記されていない。
伝説では、帝の奥様との不義密通らしい....この辺りは皇太子のフィアンセ(朧月夜内侍だがオンナの誘惑に転んだ美人局みたいな)を寝とったヒカル君に似ている。
出奔した時期は分からないが、三河の八橋あたりでは杜若が咲きほこり、駿河で富士山を見たのが皐月の終わり頃。この頃は寒冷期だったのか「雪いと白うふれり」と書いてます。
ならば、武蔵下総あたりには夏の終わりにはついていた筈だ。
ゆりかもめは、晩秋から初冬に飛来し春先に帰去するのが生態だから、夏の隅田川に生息していた??
あるいは、箱根の山越えに難渋し、秋深まりにやっと隅田川の辺りに来たのかもしれない。
謡曲の方は、日時が明確で、三月十五日です。
太陰暦の三月、今の暦では、三月から五月頃ですから北に帰る直前とすれば平仄が合うといえば合う。
ゆりかもめでもみやこどりでもいいのですが、このさして秀歌でもない一首のおかげで知名度抜群になりましたが、そうそう和歌に取り上げられる鳥でもない。
少なくともアタシは知らない。
万葉集に家持の一首があるだけ.....らしい
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