亀田俊和博士(中世史)の著作を読む。
実に面白い、、、吉川弘文館の歴史文化ライブラリーは知的好奇心をかき立てます。
万世一系の男子天皇の統治したまうことの虚構やら綺麗事を粉微塵にした14世紀半ば半世紀余りの「南北朝時代」
これ程愉快な人間喜劇な世界はないのに、大河ドラマ的は、、、後醍醐帝の粗雑なクーデター騒ぎを発端に北条政権の崩壊から建武の中興なる政権交代の大失敗、そして後醍醐帝崩御あたりまで。
おおかたの興味は刷り込まれた歴史意識からくる正統政権たる南朝の悲劇の顛末ですが、ありゃ「民主党政権の悪夢」みたいなもので起きるべくして起きただけの事。
悲劇のスーパースターは楠木正成と相場が決まっていますが、いくら才能があっても活躍の場が与えられなければ、ただの河内の悪党。
出自が悪かったもんねえ、、、下克上の時代はまだまだ先だった。その意味で生まれてくるのが早すぎた。
今時ならば、一票を投じる主権者のハートをつかみ投票所に足を運ばせることが勝つ極意だが、あの時代は土地の権利者の歓心を買う事。
まず権利を確実に与えて簒奪されれば取り返してやるだけの法の支配こそが政権奪取と保持の源泉。法の支配とは言え、運用するのはウラオモテのあるヒトザルのやること。道徳や倫理よりも政治的駆け引きが先にくる。寝返りや裏切りは当たり前、昨日の仲間は今日の敵....最後に勝ったのは綺麗事をいわないマキャベリストでした。
楠木正成だって、寡兵でもって大軍を翻弄するベトコンのようなゲリラ戦だけが特異技じゃない。
あっと驚く政略プランを提案はできるが、アタマが固いだけの南朝貴族に悉く潰されて、、ジ・エンド
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