2021年5月29日土曜日

鉄道ミステリー

 


アタシよりも遥かに偏差値の高い法学部卒なのに売文の徒となり....守備範囲は「文學と映画」をネタにした評論。

アタシに似てはいるが、アタシのは評論ではなく「駄文」...やはり偏差値の差かなあ?



世に「鉄道ミステリー」なるジャンルがある。

列車(汽車)が舞台になる...と定義すればあまりに広範囲であり、一般的には時刻表トリックをモチーフとする。

点と線(清張)なんかが代表的だし、鮎川信夫や西村京太郎の得意分野。しかし後者なんかはかなりトリックの底が浅い。

輸送手段としての地位の低下はトリック自体も劣化させたのだろう。


舞台装置としての鉄道には詩情や旅情がある。

鉄道という「装置」には移動手段としての汽車や機関車だけではなく、駅舎、駅弁、駅前の木賃宿や食堂なんかの総体を含む。単に移動するだけならば、そこにはなんらの「情」は働かない。

葛飾柴又出身の車寅次郎だって、いい時にお亡くなりになった。

上野駅の薄暗い地下食堂で切符を買った残りのなけなしのカネで一杯のうどんをすすり夜行列車に乗り込む......これが新幹線じゃ様にならない。

都会的なリリーさんも夜汽車の暗い車窓に涙ぐむから絵になる。






海外ミステリーにも鉄道は登場するが、時刻表トリックはあまり記憶がない...そりゃそうだろう!

時刻表通りに列車がロクに運行しないような国では成り立たないプロット

ジョンフォード監督の「静かなる男」

故郷のアイルランドにアメリカから帰郷したジョンウェイン。

到着した駅のアナウンスに曰く...


列車は「いつものように」三時間遅れて到着しましたので、どなた様も忘れ物のなきように...






名作の誉れも高いオリエント急行殺人事件

単なる密室殺人事件であり、豪華な舞台装置として提供されただけ。

そういえば、JBもこの列車のコンパートメントで大立ち回りをやりました。

そのオマージュなんでしょう。スペクターで登場するのは、オリエンタルデザートエクスプレス





場所はモロッコですから「砂漠列車」かな

だからスペルは...Dessert じゃなくて Desert

砂嵐なんかに遭遇すれば、遅延は当たり前。


この川本三郎氏の著作によれば、、、かの玉音放送の当日も省線は全国的に時刻表通り運行していたそうです。

この規律こそ、、倭の真骨頂


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