2021年5月1日土曜日

プレイバック

 


カバー写真には本来は映画のシーンを使うのだが、フィリップマーローシリーズでこの作品だけは映画化されなかった。

作品の知名度にも劣るものの、この名台詞の認知度は多分一番かもしれない




If I wasn't hard, I wouldn't be alive.
If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.


やさしい英語だが、小洒落た対句表現。

実際にアメリカンは日常的にかくもオシャレに会話するのかなあ。

アタシはアメリカ映画を相当に観ているから名文句もそれなりに知ってはいる。

ハリウッドには脚本家とは別にセリフ屋がいてしゃべりに磨きをかけるそうな...

レイモンチャンドラーは、ハリウッド人種のひとりでもあった。


この小説のラストあたりのこのマーローの台詞の素晴らしさの発見者は丸谷才一さんだそうだ。

そして発見者が忘れられた頃、野性の証明(角川映画)のセールストークで知名度は定着した。

しかしなあ.....


あの映画は薬師丸ひろ子の出演作だし、彼女の


お父さん、怖いよ。何か来るよ。

大勢でお父さんを殺しに来るよ。


.....のセリフは覚えている(無内容なCMのメッセージに過ぎないが)


しかし、主演の自衛隊隊員である高倉健さんが、タフだし優しいのも承知しているが、マーローのような都会的なソフィフトめいた雰囲気でもあるまいに...

ある種の知財侵害のような気がするけど、商魂だけのたくましさの男には気配りめいた優しさは持ち合わせないようだ。




この台詞の翻訳はいくつもあるが、最新版はハルキの翻訳である。

何故にこのように訳したかって講釈を後書きで縷々説明していて、本文を凌ぐ面白さ!

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