2021年12月22日水曜日

年の瀬に一首

 道教に由来するのが中元らしくって単に年の暮れを意味するのが歳暮。

似て非なるものを対句にする大胆な融通無碍なることよ。共通項は贈答の習慣だけ。
単に「季節のご挨拶」なんだが、どういう訳だが、春秋にはない。



もういくつ寝るとお正月って時期になりましたなあ



木の葉なき空しき枝に

歳暮れて

また芽ぐむべき 春ぞ近づく(玉葉集 冬部 歳暮)



作者は定家の曾孫である京極為兼

政治に翻弄された生涯だったが、玉葉集を編纂し歌人としてはそれなりである事はこの和歌からも解りますなあ。

一陽来復を期待する気分は多少ほのぼのって気もしますが、お約束通りに現実の叙景と我が身の心象風景の二重構造。

恨み辛みが前に出過ぎず、、良い歌です



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