公設貸本屋の開架棚に眺めていると、、、珍しい作家の文庫本が目に付いた。
さほどの知名度はないがマニア好みな作家さん。
あまり売れないのには理由があり、、、彼は
本業 紋章上絵師(和服に家紋を描く特殊な絵師)
趣味 奇術
余技 探偵作家
それでも直木賞作家のひとり
アタシはファンとまでは言わないが、小洒落た作風が好きだから、、、パラパラとページをめくる。
アンソロジーですから、タイトルロールの短編だけを読めばだいたいのことは解ります。
夜光亭の一夜
夜光亭浮城と称するマジシャン(手妻使いの女太夫)が興行中の割菊なる小屋で強殺事件が発生。辣腕の岡っ引宝引の辰が活躍して一件落着、、、なんですが、この正体不詳の妖艶美貌のマジシャンこそがセンター。
さしたるトリックがある訳でもないが、手品の裏側をちょい見せしたりするのが、作者の遊びこころ
ところが、三十頁あまりの最後の最後
この一節にニヤリとし、あの名作シリーズの引退した美貌の元マジシャン曾我佳城を思い出させる、、、無論分かる人にはってところは特定少数であろうファンへのサービス。
確か書庫の奥にあるはずだが、、、探すのが面倒だから、その場で予約申し込み。
案の定予約貸し出しの待ち行列はなし(^^)
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