2022年9月23日金曜日

総長賭博

 こないにボンクラかいのう

ゲージツみたいなシャシンつくりよったがな
ゼニにならんようなことしくさりよって
この腐れ外道があ....



実際にどんなお小言を、山下耕作と笠原和夫が喰らったのかは知らないが、当時の撮影所長は広島出身だったから、まあこんな物言いだったのだろう。


しかし、かの三島由紀夫がギリシア古典悲劇の芳雅満載の文句なしの大傑作と褒めちぎったもんだから、再評価され今やオールタイムベストの上位に位置する不朽の名作となった。

UNEXTのライブラリーにはありますが、アマゾンは判らない。


三島由紀夫がギリシア古典悲劇に喩えたのは卓見であり、様式美に加えて「良かれと思った事が逆に裏目となり、そのリカバリーが更に負の連鎖を生むカタストロフ」な展開はこれ以外の比定はあり得ない。


鶴田浩二の博打打ちシリーズの一作「総長賭博」

シリーズと言っても連作ではない。

このあたりは高倉健の昭和残俠伝のつくりも同じ。


かように傑作なんだが、気の利いた台詞で唸らせる作品ではないので、名台詞の宝庫でもない


俺はただのケンチな博打打ち(ヒト殺し)だ


東映ヤクザ映画の敵役といえば、金子信雄さんに若かずなんですが、ラストシーン(掲載写真)で


オマエの任侠道ってなんなんだ?という台詞への返答

金子が「任侠道」なんて口にするかあ🤗

そして任侠を絵に描いたような鶴田の意表をつく台詞、、というよりも会話

さすがに笠原和夫さんです。

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