先日は「裏葉」の話題だったから、その延長線です。
恋しくば
尋ね来てみよ
和泉なる 信太の森の
恨み葛の葉
安倍晴明の母親は葛の葉と言う名前の信太狐という伝承はあまりに有名。
いわゆる世界中にある「異類婚姻譚」の一例
生物学的にあり得ないはなしであり、斯様な伝説の背景には、、、
もち得た異能が超人的であることの理由説明
異民族の親の場合
氏素性を明らかに出来ない祝福されにくい子供だから
なんかがあげられる。
安倍晴明の葛の葉伝説の初出は鎌倉時代の終わり頃らしいが、それに先行する信太狐の伝説があったようです。和歌の出典は知らないが、歌の出来不出来はともかく葛の葉伝説には欠かせない。
今でもJR阪和線には信太山なる駅がある筈だし、陸自の駐屯地(旧皇軍以来の伝統ある軍事拠点)もありますし、なんちゃって浪花の五大花街(飛田、松島、今里、、あとは知らない)のひとつがこの信太山。
歴史的な後先はさておき、安倍晴明の母親の素性の想像がつきます。
しかし、同じような葛の葉主題ならばもうすこしましな和歌があるだろうって、、、
葛の葉の うら(裏・恨)みにかえる 夢の世を
忘れがたみ(難み・形見)の
野辺の秋風
さすがに新古今収録の俊成女の作品
古典的なテクニックも彼女にかかると斬新に思える。
以下はオマケのお話
山彦神話もお伽噺的に有名ですが、山彦の子供さんが鵜葺草葺不合命、つまり神武天皇のお父様。
じゃあ、お母様は誰だい?
正解は山彦が失った釣り針を探してくれた海神の娘さん。
はやい話が、海中に棲息する爬虫類なんですよ。さらに、神武天皇のお母様は山彦のお母様の妹さん
万世一系とやらの天皇家も異類婚姻譚の歴史が濫觴ですから、皇族の子女の結婚相手はアタマが悪くなくて健康で性格さえ良ければ誰でもいいのよ。
だから皇女様のお相手だって、紅毛青眼やらでもくるしゅうないのよ
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