2018年8月20日月曜日

扇吟味



暑い盛りにそれも京都なんて、正気の沙汰とは思えないが、
多少は....かたへ すずしき 風の吹くらん
あの「十松屋」さんでないとことは始まらない。
烏丸三条

家元御用御せんす所 十松屋福井

扇なんか何処でも扱っているし、ネット通販でも買える。
舞ならともかく素謡で使う程度だから
なんでもいいと言えばそれまで。
しかし、古典芸能に畏敬の念を持つなら、このお店の能扇に如かず。
室町時代あるいは元禄期以来の能扇専門店
先代の師匠によれば、他の追随を許さない品質らしいが、よく分かりません。
なんせ、ここの扇以外使ったことがない(^^)

舞台の度に新調していますが、そうすれば、なんだかヤル気が出るのです。
なんかきっかけがないとモチベーションがあがらないことも問題だが
正統的には仕舞扇と素謡扇は別物(能で使う扇はもっと別)
名前も、鎮扇、中啓という。

我がお流儀では、長さがそれぞれ一尺一寸(尺一)か九寸。
大は小を兼ねますから、仕舞扇で全てすます。
素謡の場合、扇の文様は広げるわけではないからなんでもいいが、
お流儀に定めにより、三段水巻文様。


金箔地青海波亀丸文様

思わず手が出そうになった。
お値段もお値段だし、
財布は出さない。
それに道具は使ってナンボ。
棚に飾っておくだけと言う趣味はないが、使うにはいささか躊躇する。





お流儀指定の扇を吟味し、さあ....
最近はゲスな観光客ばかりらしいお店は敬して遠ざければ、
本当に一見さんお断り店しか残らない。
黙して寒村まで帰る。


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