文楽や歌舞伎の外題の言葉遊びには惚れ惚れする。
大石内「蔵」助以下「仮名」文字と同じ47人の「忠臣」たちの
後世の「手本」となる仇討咄という粗筋を
ぎゅっと凝縮してタイトル化。
しかし、舞台台本をつらつら読めば、所謂「忠臣蔵」とはかなり色合いが違います。
考えれば当たり前ですが、
庶民の娯楽にお武家の忠義なんかをセンターにした芝居が受ける訳がない。
この世は「色と欲」
加えて、グリーンゾーンに自分がいるなら判官贔屓
レッドゾーンなら長いものにはまかれよってヒトザルの処世術(^^)
表向きは儒教的な八つの徳目テーマですが、透けて見えるのはそういう事。
何故内匠頭が刃傷に及んだか?
この間の遺恨とは?
簡単な話で、内匠頭の美貌の妻に失恋し、賄賂も粗末だったもので
パワハラにおよび....
塩田事業にめぐる経済紛争なんてこじつけ
おかると勘平は、大事なお仕事をさぼりイチャつき、オフィスラブラブ
その間に大事件発生!
一から万事こんな調子で、仁義を貫くのはロジ担当の天河屋義平だけ。
町衆からヒーローをだすと入りがいいと小屋も考えます。
しかし、お取引先は、厳しい値引くらいならまだしも
リベートや賄賂の要求。
やってなれない
時代も変わりこの十段目が舞台にかかることは最近は稀らしいが、
当たり前ですよ。
翻って忠臣蔵となれば、
24時間戦いますジャパニーズビジネスマンのエピソードばかり
伝奏屋敷の二百畳の畳替えに始まり、
神崎与五郎の詫び状
赤垣源蔵徳利の別れ
日野家用人垣見五郎兵衛との丁々発止や南部坂雪の別れまで
滅私奉公な忠臣の行動には涙なみだの大洪水。
昨今の働き方改革にはそぐわない。
大円団の討入後から泉岳寺参拝、切腹まで余情たっぷりですが、
オリジナルは、十一段目(討入)でおしまい。
余韻は、十二段屋のしゃぶしゃぶでと言うのが、
みやこの洒落(笑)
ここも、ガサツな観光客で、余韻もへったくれもない。
秋には南座が新装の「カキ」おとし
しゃなりと正装して出かけるか!
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