2018年8月2日木曜日
イッカクセンキン
謡曲「大江山」の鬼退治もつつがなく終了した。
次のお稽古の曲目だが.....
この殺人的な八月・九月に相応しく、冷たいシャワー浴感覚の曲でもとかなんとか注文を
師匠は慌てず騒がず、
では、イッカクセンキンをやりますか
?? そんな謡曲ってあったかしら
観世二百番集をとり出だし、目次をツラツラ....
どうやら「一角仙人」らしい(^^)
穢土浮世を離れた仙人暮らしの割には、
まだ物欲から脱却できていないようだ。
パラパラに筋書をみるに、これって「鳴神」じゃないか!
正確には、一角仙人のモチーフを借りてきたのが歌舞伎十八番の
人気演目と相成ったわけだ。
そんなトレビアは、ググっても何処にも書いてません。
能としては不人気だったが、歌舞伎で拍手喝采とはなあ
あらすじはほぼ同じですが、
謡曲では、封印された龍神が逃げ出そうとして、
仙人とチャンバラとなりますが、
歌舞伎は、うそ偽りで鳴神上人を誑かしたなんとか姫を
怒髪天をつく様で跡を追う....安珍清姫逆バージョン
どう見ても後者の方が面白い(^^)
馬齢を重ねた結果、お稽古曲は数多となったが、
神や天人、鬼神なる存在は、疑ったり騙したりするという
性質が全くない。
疑いは人間にあり、天に偽りなきものを(羽衣)
偽りなしといいつるに、鬼神に横道なし(大江山)
一角仙人は、淫婦のようなオンナに酒仕掛け・色仕掛けで
籠絡されるのですが、鳴神上人はもっとお気の毒。
時のミカドから、後継の御子を授けてくれたら寺を建立するとの
約束を反故にされ、その報復に龍神を監禁して
旱魃と相成った。
ごめんなさいとお寺を建てて謝れば済むものを、
小賢しい側近が浅はかな悪知恵を弄するから事件が起きるのですよ。
宮中住み込みのキャリアウーマンの中から色仕掛けの才ある美形を選び...
ともあれ、一転干天の慈雨なるシャワーをしこたま浴びることになったのは
民草には慶賀の至り。
異常気象で民が苦しむのは一重に失政が理由という事です。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿