2022年2月24日木曜日

活弁(2)

 映画創世記の徒花、、、とまでは言わないが、文士や弁士になるくらいならば893の方がまだマシと当時のオヤゴさんは嘆いていたそうなってなんかで読んだわ。


多少デフォルメすれば、弁士は文士ほども教養がなく(無学文盲が多数)行状かんばしからず風紀紊乱にして暴飲荒淫破滅型。
無声映画の解説よりもナンパに精だす色魔だったようですから、内務省(警察当局)も業を煮やし、、、、弁士登録制に乗り出した。
自動車の運転と同じで試験に受からないと弁士稼業が出来ない。

最盛期には七千人強の弁士が登録されていた(女性弁士はそのうち5パーセント程度)がマトモに採点をやればニュービジネスは死滅しかねない惨状。

今と違い案外融通がきくのが当時の官憲でしたから、かなり手ごころを加えたのかな






以下片岡一郎氏の労作「活動写真弁史・映画に魂を吹き込む人びと」からの引用


試験は小論文と口頭試問の併用のようでさまざまな珍回答があったらしい(第一回試験は1926年)


問 単刀直入の意味は

答 短刀をもって強盗に押し入ること


問 小春日和の意味は

答 春雨降る気持ちの良い日


問 良妻賢母の意味は

答 女性の受験生は全員答えられなかった(^^)


問 総理大臣の名前は

答 コロコロ変わるからいちいち覚えていません(^^)


今時のアイドルクイズ大会のレベルもこんなものらしいから、そう馬鹿にするものでもないが、、、良妻賢母が答えられないようなタイプが弁士志望とは(^^)

最後の質問への答なんかは座布団一枚だろうし、アタシが試験官ならば黙って合格!


素行不良な稼業は他にもさまざまあり、上級国民の貴婦人淑女の不貞相手はダンス教師であり、活動写真なんかはすぐれて大衆的だったということ。


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