2018年9月3日月曜日

あなたの知らないマクドナルド



彼は蝸牛庵と同じ業界出身の世代的には後輩です。
質量とも遥かに上位の企業出身ですが、特段出身母体自体が本人の力量を
規定する訳ではない。

たわいない宴席の会話。
彼はシカゴの一号店で食べた事を自慢げに....
世界中どこでも同じ物を同じ様に提供する事がセールスポイントであり、
一号店だからと言って(笑)

しかし、同席した連中のビジネス知識の貧困さにいささか呆れ
毎度の「大信田礼子のようにそんな事も、、、」なんて冷笑やら
啓蒙を解くような教育的指導すらせずに、ただ笑って聞いていました。
ビジネス啓蒙書の重要なアイテムのひとりであるマクドナルドのヒストリーを
知らなくても上場企業の幹部社員は勤まりますが、
サイレントマイノリティからは小馬鹿にされます(^^)


完全復活を遂げたマイケルキートンが演じる
マクドナルドの「創業者」物語
このカッコが重要でして....
実は我々が知らないマクドナルドがある。


五十年代、西海岸でありふれたダイナーを経営するマクドナルド兄弟。
ある時、ハンバーガー単品商法に業態転換。
これが馬鹿当たり。
カリフォルニアでそこそこの店舗展開を行なうようになったのです。
これに目をつけたのがシカゴの食品製造機器のセールスマン。
ここからの経緯は判然としないが、
結果として新しいマクドナルドチェーンがスタートし世界覇権企業にまで成長した。
普通のフランチャイズ契約ならマクドナルド兄弟は大富豪になったのだろうが、
どうも経営権そのものをシカゴのセールスマンに騙し取られたみたい。



兄弟とセールスマンの間には相当な諍いがあった。
いろんな路線闘争が想定されますが、
ファストフードは健康食品で無ければならないかということ

ハルバースタムの著作にはかいてますが、兄弟の作っていたハンバーガーは
ビックリしますが「健康食品」であったとされます。
由来の明らかな低脂肪や鮮度が良く添加物のない(少ない)食材だけを
使ったハンバーガーをお客様に提供することをビジネスの基本としてきた。
この路線では絶対に世界覇権は出来ない。


件の彼は、シカゴまで不健康食材をワザワザ食べに行ったという事である。
誤解されると困りますが、健康食品至上主義を賛美主張するつもりはない。
農薬、添加物、GMOを全排除した社会が「健康的」とも言い切れない。
そんな社会で安穏と暮らせるのは一部の富裕層だけで、
多くの民草は貧困ではなく飢餓層となる。
地球規模のビアフラ化が健康的とは誰も思わないが、80億人が其れなりに食うていくには
綺麗事ではすまない。
倭国のように農業人口が潰滅的状態になってもおコメが自給できるのは、
これらのおかげ(加えて機械化)。
完全無農薬なんて言い出せば、コメとゴールドが等価値になり米騒動どころでなくなる。
良くはないだろうが一定水準の商品を廉価に安定して供給できる
システムには社会的にも存在意義があるのです。

どこにでもグリーンゾーンからキレイゴト宣う御仁が
おられますが、同じ事がレッドゾーンから言えるのであれば、
其れは立派というものです。
ともあれ「創業者」は綺麗事を一旦横に置き、
ローコストオペレーションに徹したことにより、地球を制覇した。


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