2018年9月2日日曜日
林語堂の中国
彼は西洋人に不可解としか見えない己の国と民族の
精神性の解説書を英文で書いたことで知られる。
新渡戸武士道と似た部分があるが、今の中国人が読むべき
書物ではあるまい(台湾だと読まれるかな?)
林語堂の「中国と中国人」
アメリカンでは、ベストセラーとなった。
辛亥革命後の執筆であり、共産党支配の中国以前のはなしだが、
三つ子の魂百まで...と言うではないか。
本性は簡単に変わるものでないから、いまでも再読にたえるのです。
特にウンウンってうなづく第六章、社会生活と政治生活
キーワードを断定的に記載するに....
族譜第一主義と社会性の欠如
確かになあ
血脈と閨閥の網の中が一番大事で有り、その族に寄生する
郎等が次に大事で、国よりも優先される。
公共=社会なんて観念はないとキッパリ。
族の繁栄が一義であり、その為には官爵売買、公金横領や収賄は
罪ではない。
他の族の財産を簒奪すれば、流石に罪だろうが、
国の資産なんかはくすねたもの勝ち。
だって公共意識なんかないんだから
よく聞く天文学的な蓄財も、普通のやり方ではなかなか実現しないし、
族の永久的な繁栄の原資と思えば幾らあっても余る事がない。
族の一番優秀な奴を科挙の上位合格に挑ます。
いまなら共産党の高級幹部になることかな?
首尾よく高位高官ともなれば、一族郎党は官職にありつく。
なければ、冗官を作ればいい。
後は官有物収奪やら賄賂の取り放題。
ボンクラばかりの族でもよくしたもので、裏口がある。
宦官
本来家族たり得ないはずだが、養子縁組制度の悪用
宦官家系が拡大再生産されていき、
本来キャリアと不断の勢力争い。
アタマのいい奴だけが偉くなるわけではないある種の
機会平等社会である。
四書五経を諳んじるまで徳の学習をしたからと言って仁者に
なるわけでは無い。
儒教的に一番忌むべき身体毀傷を敢えてやるような輩の
精神構造は絶対に歪んでいる。
中国史の醍醐味は群雄割拠し英雄豪傑の大活躍にあるが、
反面政治派閥の暗闘は吐き気がするほどおぞましい
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