2018年10月26日金曜日

嘘っぽいランキング


ある金融情報紙の記事のカトペです。



---人類史上長者番付(氏名、推定資産額、生存年)

1 マンサ・ムーサ       世界の産金の半分以上  1280~1337
2 カエサル           4兆6000億ドル   前63~後14
3 神宗(北宋6代皇帝)    世界のGDPの30%    1048~1085
4 アクバル(インド)      世界のGDPの25%支配 1542~1605
5 ジョセフ・スターリン     GDPの9.6%    1878~1953
6 アンドリュー・カーネギー  3720億ドル  1835~1919
7 ジョン・D・ロックフェラー  3410億ドル  1839~1937
8 アラン・ルフス        1940億ドル  1040~1093
9 ビル・ゲイツ         789億ドル   1955~
10 チンギス・ハーン      領土     1162~1227


一見してわかることは、ネットのあちこちで散見される
「歴史上の大富豪は誰か?・・・」っぽい記事の単純孫引きだと思われます。
批判的に評価検証した上で掲載するのであればともかくも、
その辺の執筆者不詳の与太サイトならいざしらず
一応は金融情報サービス提供を生業とするのであれば・・・・
まあ、全うに信じる方はいないでしょうが、
酒の肴にもならない。
検証もせずに引用するのはネット情報の常ですが、
一応批判的に引用しましょうか


国家資産と個人資産を混同することがええ加減とかってことは、
近代国家でもなかった時代の「帝王」ならばそれでいい。
しかし、チンギスハンが世界歴代第10位って?
あるランキングでは第一位となっています。
しかしユーラシア中央部の土地評価ってどう計算したのですかねえ?
一説には1京円だそうで・・・

リスト一位の国王はマリ国の王様だそうです。
世界の産金量は現在三千トン程度
その半分だとして、グラム4500円として幾らだい?
それで一番...らしい(^^)

中国とインドは産業革命以前では、それぞれ世界の
GDPの三割程度を保有していたと経済歴史学者がいうとりますので、
統一国家でなかったインドはさておき、中華帝国であれば、
明朝や清朝のほうが北宋のころよりも規模は大きいと思われますが
どのリストにも不思議なことに永楽帝や乾隆帝は登場しません。
世界のGDP...と言われても時代が変われば数値も変わるが...

アランルフスって、ググッても出てきませんが、
ウイリアム征服王の親族らしい。

第二位の「カエサル」ですが、これは誤解します。
カエサルは単に称号ですので、正確に書けば「アウグストウス」でして、
いわゆる「シーザー」じゃありません。
シーザーは、むしろ借金王!

金額的に信じられそうなは、アメリカの大富豪だけです(苦笑)


この類のリストに登場しないのは、倭国の淀屋さん。
江戸時代初期の金融業の大物。
あまりに大物すぎて、大名貸しの残高が100兆円だったとか・・・・
財力がありすぎて、おとり潰しの憂き目を見てますが、
上記の貸付金以外の資産を加味すれば、ざっと200兆円!!

江戸時代の初期の日本のGDPから見てにわかに信じ難いと思いますが、
家康が溜め込んだ余剰金、元禄ころには底を尽いたといわれますが、その額200兆円。
これがほんまならば、ありえなくもなく、ベストテンに堂々登場します。


まあそれがどうした(笑)って思うのが今日の御題のオチ
起きて半畳寝て一畳、天下とっても二合半・・・とまではいわないが、
後世のために有効にお金を使ったのは一部の方だけですねえ。



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