2018年10月22日月曜日

ユニオンジャックが降納される時



ユーチューブのアクセス回数を見るに哀しくなります。
上質で歴史性も高くオトナの鑑賞に耐えるのですが、
プロモーションに力を入れなかったのでしょう。

製作会社は、仏・英、あとはどっか(全く知らない会社)
しかし、紛れも無いインド映画です。
大英帝国のインドからの退場とはかくも困難だったのか。
黙って引継をやればすむものだが、なんせ受皿が混沌としている。

ヒンズーもイスラムも統一して新国家樹立派
パキスタン(イスラム国家)分離派

ムスリムは須らく分離派であるが、ヒンズーは統一派と分離派で
対立する有様。

早期円滑移行に腐心するマウントバッテン総督は苦悩し、
大英帝国の重石が軽くなるにつれ、宗教対立は凄惨を極める。

総督府に勤務するヒンズーの若者とムスリムの女性の
恋の行方も絡まり、壮大なメロドラマが展開する。
政治的策謀にかけては人後に落ちない英国のこと、
最終的に分離独立となった背景には、国際政治の闇が蠢く。
これが災いしてパキスタンでは公開禁止になったようです。

虐殺されたり、難民化したり、被害者は数千万人におよぶとされる
悲惨な独立劇だったし、
両国の対立も含めて、未だに最終的な決着がみたとは言いがたい。

まあ、作りものだし、結末があまりに悲劇的ですから、
二人の引き裂かれた恋だけは、奇跡的な再会が叶い...
インド亜大陸としても、未来はかくありたし
というのが映画のメッセージなんでしょう。
気持ちはよくわかる。

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